情報漏洩対策をしよう

昨今様々な企業で情報漏洩が問題になっており、2005年4月から個人情報保護法が施行されるなど、情報管理の重要性が増してきています。

個人の方はそれらの出来事を「そういうのを気にしなくちゃいけないのは企業やショップだけじゃないの?パソコンを私用で使っている自分には関係ないよ」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

ですが個人のパソコンにも住所や電話番号、メールアドレス、ネットサービスのパスワード、クレジットカードの番号など重要なデータが山のように入っています。

ある調査では中古パソコンの7割からデータ復元ソフトを使ってなんらかのデータが読み取れたそうです。

会社・あるいは個人で不要になって手放したパソコンや、捨てたハードディスク、CD-Rなど、気に止めていなかった廃棄物から情報が漏れてしまう可能性があるのです。

紙などのアナログ媒体と違い、パソコンで使用しているデジタルのデータは、一度漏洩するとネットで急速に広がることも多いので回収するのが非常に困難になります。そのため事前の予防が大切です。

フォーマットやごみ箱に捨てただけでは消えないハードディスクのデータ

ハードディスクの情報を消す方法としてはフォーマット(初期化)やWINDOWSのごみ箱に捨てるのが一般的です。しかし専用の復元ツールを使えば、フォーマットやごみ箱に捨てたはずのデータが復元できてしまうのです。

フォーマットやごみ箱に捨てると、データが格納されている箱の表側、「情報がこの中に入ってますよ」というラベルだけは消されます。しかし肝心の箱の中身(データ)はそのまま残っている状態です。

それでも普段使用しているパソコンのシステム(WINDOWSなど)は、箱の中身はそのままでもラベルに何も書かれていなければ、そこにはデータがない、と判断しますので完全に削除されたように見えます。しかし、箱にラベルが貼っていなくても、箱から直接データを取り出せる専用の復元ツールを使えばデータが読み取れてしまうのです。

誤って必要な情報を削除してしまった場合には復元ツールはとても役にたつものです。しかしそれが悪意を持った人間に使われると危険なものになってしまいます。

ハードディスクのデータを確実に消去しよう

復元ツールでの情報漏洩を防ぐためには、データを消した後にまったく関係ないデータを上書きして、箱のラベルのみならず、中身そのものを無関係のものに書き換える必要があります。

それを行うためには専用のツールを使用します。下記で紹介している完全削除のための無料ツールは、どれも初心者でも使いやすいインターフェースになっています。

またフロッピーディスクの中身を完全消去したい場合にも使用できます。

なおこれらのソフトを使用すると、誤って必要なデータを削除した場合にも、復元ソフトを使ってデータを復活させることが出来なくなりますのでご注意ください。

空き領域を完全消去する無料ソフト

ハードディスクの空き領域に意味のないデータを上書きし、空き領域に残っていたデータを復元ツールで読み取れなくするソフトです。

ハードディスクを捨てたい時には、まず捨てるハードディスクをフォーマットした後、このソフトを使ってフォーマットした箇所を上書きします。それによってデータが入った箱の中身がすべて無意味なものに書き換わり、復元ツールで書き換える前のデータを読み取ることが出来なくなります。

ファイル単位でデータを消去する無料ソフト

ファイル単位でデータを完全消去したい場合にはこちらのソフトを使用します。使用中のハードディスクでファイルをピンポイントに完全消去したい時などにお勧めです。

CD-R/DVD-Rの破棄方法

重要な情報を記録したCD-Rも、ハードディスクと同じようにデータを読めない状態にした後、破棄する必要があります。ハードディスクと違って壊しやすいので物理的に破壊し、データを読めなくするのが手っ取り早いでしょう。

CD-R/DVD-Rにカッターを使って深い傷を無数に付ける、大きいハサミで裁断するなど。

傷を付ける場合は、CD-Rの内周部分を念入りに行ってください。CD-Rのデータは内側から書き込まれるため、外周だけに傷を付けてもデータが読み込めてしまう場合があります。

簡単にCDを裁断できるシュレッダー等を使うのもおすすめです。

悪意のあるプログラム・不正アクセスからパソコンを守る

デジタルデータの情報漏洩は、破棄したメディアからだけではありません。いつもインターネットに繋いで利用しているパソコンからも漏れる可能性があります。

パソコンに不正アクセスされたり、ウィルスやスパイウェアなど悪意を持ったプログラムにパソコンが感染すると、パソコン内の情報を容易に読み取られてしまうのです。

それらを防ぐためにウィルス・スパイウェア対策ソフト・ファイアウォールソフトをインストールし、WINDOWS UPDATEを定期的にチェック、推測しにくいパスワードを使うなどパソコンのセキュリティを高めましょう。

内部からの情報漏洩に注意

情報漏洩対策の方法をいくつか紹介してきましたが、企業での情報漏洩原因のナンバー1は内部の人間の犯行&不手際が原因です。

その割合は実に80%というから驚きです。外部からの不正には高いセキュリティ意識を持っていても、企業内部のセキュリティ意識は低いところが多いということですね。

これは個人でも気をつけるべきです。知人だから大丈夫だろうと重要なデータが入っているパソコンを置いたまま離席し、その間にパソコン内の重要な情報を盗まれる、情報を盗む不正ツールを仕込まれる…ということは起こりえます。

それらの行為を防ぐためには、席を外す時にパソコンに簡易的な鍵をかけたり、重要なデータが入ったフォルダにあらかじめ暗号化を施して開けないようにしておくと良いでしょう。

離席中にパソコンに鍵をかける無料ソフト

パスワードを設定後、このソフトを起動すると、パスワードを入力するまでパソコンでの操作ができなくなります。パスワードを忘れてしまうと自分もパソコンを操作できなくなってしまうので気をつけましょう。

ファイルやフォルダを暗号化する無料ソフト

ファイルやフォルダに暗号化を施して第三者からデータを守るためのソフトです。下記のソフト「アタッシェケース」は世界標準にも選ばれた強力な暗号プログラムRijndaelを採用しています。

指示に従って操作するだけで簡単に暗号化を施せますが、こちらも自分の設定したパスワードを忘れるとファイルを開けなくなるので気をつけましょう。